内臓脂肪増加による「痛風」の危険性

何らかの理由で尿酸の排出に障害が生じて血液中の尿酸値が高くなると
「高尿酸血症」という状態になり、
その症状がさらに進行すれば、関節などに強い痛みを引き起こす「痛風」になってしまいます。

 

痛風の主原因・尿酸ができるまで

痛風を引き起こす主原因となる尿酸は、
プリン体が代謝される過程で生み出される老廃物の一種です。

 

「食事でプリン体を摂取しすぎると痛風になりやすい」という説を
あなたもどこかで聞いた事があるでしょうが、この説は「プリン体が多ければ多いほど、
その代謝によって大量に作られる尿酸の排出が間に合わず蓄積されやすい」という
事実から導き出されたものです。

 

とは言え、健康体であれば、少々プリン体が多い食べ物を食べたとしても、
作られた尿酸はしっかり排出されるので、
ほとんどの場合は高尿酸血症や痛風を発症するまでには至りません。。

 

しかし、内臓脂肪が多い人の場合は、そのメカニズムに支障が出やすく、
痛風になってしまうリスクが高くなるのです。

 

内臓脂肪の増加によって痛風が引き起こされる理由

内臓脂肪が増えると痛風リスクが高まる理由として挙げられるのは、以下の2つです。

 

1.内臓脂肪が増えると、プリン体の代謝を促進する遊離脂肪酸が大量分泌される。

 

2.インスリンは尿酸を尿に混ぜて排出する役割を果たすが、
内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性(インスリンを効きにくくする作用)をもたらし、
尿からの尿酸排出を妨げてしまう。

 

つまり、尿酸を生み出す大きな原因となるプリン体の代謝が増え、
しかも増えてしまった尿酸の排出そのものにも支障をきたす、というわけです。

 

事実、2009年に松下啓氏らによって発表された論文
『血清尿酸値と内臓脂肪蓄積との関連』には、
「内臓脂肪面積と血清尿酸値には、有意な正相関があった」という趣旨の記述があります。
正相関とは「一方の数が増加すれば他の数も増加する関係にある」という意味ですから、
「尿酸値の増加と内臓脂肪の増加には、大きな繋がりがある」ということになります。