内臓脂肪は、ウェスト周りの内蔵につく脂肪

近ごろ、テレビの医療番組などでも話題となっている内臓脂肪。

 

内臓脂肪とは、臓器の周囲にある脂肪のことで、「悪いもの」というイメージを持たれる方が多いかも知れませんが、実はそうではありません。
内臓脂肪には良い働きをするものと悪い働きをするものがあるという事をまずは押さえておきましょう。

 

内臓脂肪とは

体内の脂肪のうちでも、体幹部の消化器系統の内臓の周りにつく脂肪を内臓脂肪と言います。

 

皮下脂肪が太ももやお尻に多くあることと比べると、内臓脂肪は体の中心部にあるところが違います。
内臓脂肪が増えると、ウエスト周りが大きくなりますので、お腹がポッコリふくらんでくるような感じになります。

 

内臓脂肪の働き

悪い印象のある内臓脂肪ですが、実は内臓脂肪には、良い働きと悪い働きがあるのです。
内臓脂肪の働き関係する物質に、「アディポサイトカイン」、「PAI-1」「TNF-α」などがあります。
それぞれについてみていきましょう。

 

アディポサイトカイン

アディポサイトカインとは、主に内臓脂肪の脂肪細胞から分泌される物質のことを言います。
血液中に放出されたアディポサイトカインは、血管を通って全身に運ばれます。
アディポサイトカインは糖の代謝や血圧に関わっています。

 

PAI-1

PAI-1は、血栓と呼ばれる血管内の血液の塊を溶かす働きを調整しています。

 

TNF-α

TNF-αは、腫瘍細胞を攻撃する働きがあり、これが増えすぎると、血糖値を下げるインスリンの働きを低下させます。

 

アディポサイトカインとは

まず、アディポサイトカインについて詳しく説明します。

 

アディポサイトカインには様々な種類があり、適度な量のアディポサイトカインは健康維持に必要と考えられています。
アディポサイトカインの中には、身体の健康にとって良いほうに働く善玉と、内臓脂肪が蓄積したときに悪いほうに働く悪玉があります。

 

適度な体脂肪量の人の血中には「アディポネクチン」という善玉アディポサイトカインが多くあります。
アディポネクチンはインスリンの感受性を高める、血管の内側にくっついていく脂質を抑える、傷ついた血管を修復するなどの働きがあります。
ちょっとした異変を直していくことで、血管の健康を守っていくのです。

 

しかし、内臓脂肪が多くなりすぎると分泌されるアディポネクチンは減少してしまい、濃度が低くなります。
すると、分泌されるアディポサイトカインの善玉と悪玉のバランスが悪くなって悪玉が多い状態になり、血糖値が上がったり、動脈硬化が進んだりする原因になります。

 

PAI-1

次に、PAI-1についてです。内臓脂肪の蓄積が過剰になると、
血液中のPAI-1の量が多くなり、血栓ができやすくなります。

 

血栓は溶けにくい状態になり、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。

 

TNF-α

最後にTNF-αについてです。
内臓脂肪の蓄積が過剰になると、TNF-αが増えすぎになり、インスリンの働きが鈍くなります。
インスリンの働きが鈍くなると、血糖値が上がり、糖尿病の原因になります。

 

内臓脂肪型肥満

内臓脂肪が多いタイプの肥満を内臓脂肪型肥満といいますが、
このタイプの肥満は糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病を招きやすくなります。

 

悪玉のアディポサイトカインが、膵臓から分泌されるインスリンの働きを悪くして、血糖値が下がりにくくなり、血管の炎症や血栓をつくりやすい状態になるためです。

 

アディポサイトカインの働きを生かした研究

アディポサイトカインは、近年解明され始めたばかりの物質です。
今後は研究が進んで、アディポサイトカインのより多くの活用法が期待されています。

 

また、健康維持、病気の予防としてアディポサイトカインの一種であるアディポネクチンが注目されるようになりました。
今では血中のアディポサイトカインを測定する方法も開発されています。
内臓脂肪は必ずしも悪役ではありません。
内臓脂肪は適度な量で存在することが、健康につながるのです。